換気の知恵

オフィスや店舗が入っている建物によって、入居している人が換気設備を個人で操作できる場合と、建物の管理会社などが操作する場合があります。また、窓が開けられる場合と、開けられない場合などによっても、自分でできる換気の方法は異なります。


1.小型店舗 <道路に面した戸建ての飲食店・ショップなど>

①設置している換気設備を確認しましょう。

まず、設置している換気設備がどんなタイプで、リモコンや換気設備、換気口がどこにあるか、どんな風に換気されているかなど把握しましょう。換気に使う壁や天井の換気口には必ずフィルターがついていますが、フィルターなどのお手入れをしておらず、換気能力が低下していても気がつかないことがあります。フィルターがつまると換気の効率が落ちますので、定期的に清掃をすることも大切なポイントです。(フィルターは機械の保護や屋外から虫が入らないようにするためについていますので、絶対に外して運転させないでください。)また、換気設備のリモコンにも注意が必要です。換気設備のリモコンは、エアコンのリモコンと⼀体になっていることがあります。春や秋などの過ごしやすい季節には冷房・暖房だけでなく、換気も停止させてしまっていることがありますのでご確認ください。

しっかり掃除・お手入れされた換気設備が運転している場合は、通常の換気ができています。さらに窓や入口ドアを開けて換気することで、より確実で効果的な換気をすることができるのです。

②窓や入口ドアを開けて空気の通り道をつくりましょう

換気設備を使いながら、窓開け・ドア開けで換気する方法

窓を開けて換気するときの時間と回数の目安は、1時間に10分程度と言われています。
また、1時間に10分の換気を1回するよりも、1時間に5分の換気を2回する方が換気の効果は大きくなります。
できるだけ、回数を多く換気をすると効果的です。店舗の営業時間前や休憩時間なども有効に使って換気しましょう。

空気の通り道を作る窓の開け方

窓開けで換気をする時は、1か所の窓だけでなく、2カ所の窓を開けることで空気の通り道ができて効率的な換気ができます。窓から風が入る場合は、窓を開けましょう。2つの窓は対角線上にあるとさらに効率的です。

近い2つの窓を開けた場合、部屋全体の空気が流れないため、対角線よりも換気の効率は悪くなるので注意してください。

窓を開けても風が入りにくい場合の工夫
(空気の入口を小さく、出口を大きく)

外の空気がどの窓からいつも部屋に入ってきているかは把握しているものの、少ししか空気が入ってきていないと感じるときには、空気が入ってくる窓を小さく開け、空気が外に出る側の窓を大きく開けると効率的な換気ができます。

空間に入ってくる空気の量と出ていく空気の量が同じ場合、空気の入口が小さいほうが勢いよく流れるという性質がありまま。空気の入口を小さく、出口を大きく開けることで、部屋の空気が攪拌され、室内のより広い範囲を換気することができます。

窓がない部屋の場合

飲食店の個室などで窓がない部屋の場合は、まず、その部屋の周辺の天井にある換気口(排気)の位置を確認しましょう。部屋のドアを開けて、扇風機やサーキュレータなどを置いて部屋の外か中に空気が流れるようにしましょう。

例①:換気口(排気)が部屋(個室)の外にある店舗の場合

換気口(排気)が 部屋の外にある場合は、ドアを開けて扇風機などでその部屋の外に空気を出すようにしましょう。

※その際には、個室奥とドア部分両方に扇風機やサーキュレータがあるとより効率的です。

例②:換気口(排気)が部屋(個室)の中にある店舗の場合

換気口(排気)が 部屋(個室)の中にある場合は、ドアを開けて、扇風機などでその部屋の中に風を送り込むようにします。

2.小型~中型のオフィス

おおむね10階建以下のビルに入っているような小型から中型のオフィスでは、働いている人が、換気設備をリモコンで操作できる場合とビルの管理会社しか操作できない場合の2つに分かれます。

①設置している換気設備を確認しましょう。

まず、設置している換気設備がどんなタイプで、リモコンや換気設備、換気口がどこにあるか、どんな風に換気されているかなど把握しましょう。

【全熱交換機の場合】

■エアコンと連動しているタイプ(エアコンと換気がひとつのリモコンで制御されている)

定期的に掃除・お手入れをしましょう。

中型のオフィスでは、ビルの空調や換気設備は、ビルの管理会社が操作している場合が多く、このような場合は、入居している企業の総務部などの担当部門にて、換気設備の運転状況(時間や風量など)や、掃除・お手入れの状況を確認・把握

することが重要です。

⼀方、小型のオフィスでは、入居者自身が換気設備の管理や掃除・お手入れをする場合があります。換気設備や換気に使われる壁や天井の換気口のダクト(風の通り道)には必ずフィルターがついています。換気設備はエアコンに比べて効果を体感しにくく、日ごろ意識しにくいこともあり、フィルターなどのお手入れを怠って換気能力が低下していても気がつかないことがあります。

フィルターがつまると換気の効率が落ちますので、定期的に清掃をしましょう。フィルターの掃除・お手入れは、点検は1か月ごと、交換は1年ごとが目安※とされています。

フィルターは機械の保護や屋外から虫が入らないようにするためについていますので、絶対に外して運転しないでください。

※参考 「全熱交換器を長く安心してお使いいただくために:定期的な保守・点検のおすすめ(社団法人 日本冷凍空調工業会)」より

換気設備の操作・運転方法や清掃・メンテナンスなどで困ったら、当社にご相談ください。

②窓や入口ドアを開けて空気の通り道をつくりましょう

換気設備を使いながら、窓開け・ドア開けで換気する方法

オフィスでは、レイアウトや間仕切りが変更されることも多く、新築時に設計された空気の流れが制限され、いろいろな場所で空気のムラやよどみが発生しやすくなっています。小型~中型のオフィスで、入居している建物の窓が開閉する場合は、換気設備の使用と併せて、窓や入口ドアを開けて、空気の入れ替えをすることでより確実で効果的な換気をすることができます。窓を開けて換気するときの時間と回数の目安は、1時間に10分程度と言われています。また、1時間に10分の換気を1回するよりも、1時間に5分の換気を2回する方が換気の効果は大きくなります。できるだけ、回数を多く換気をすると効果的です。

オフィスでの始業時間前や昼休みの時間なども有効に使って換気しましょう。

空気の通り道を作る窓(ドア)の開け方

窓開けで換気をする時は、1か所の窓だけでなく、2カ所の窓やドアを開けることで空気の通り道ができて効率的な換気ができます。窓から風が入る場合は、窓を開けましょう。2つの窓は対角線上にあるとさらに効率的です。

良い例:対角線上にある窓を開けると効率的

近い2つの窓を開けた場合、部屋全体の空気が流れないため、対角線よりも換気の効率は悪くなるので注意してください。

悪い例:近くの窓を開けると狭い範囲で空気が循環して非効率的

窓を開けても風が入りにくい場合の工夫(空気の入口を小さく、出口を大きく)

外の空気がどの窓からいつも部屋に入ってきているかは把握しているものの、少ししか空気が入ってきていないと感じるときには、空気が入ってくる窓を小さく開け、空気が外に出る側の窓を大きく開けると効率的な換気ができます。空間に入ってくる空気の量と出ていく空気の量が同じ場合、空気の入口が小さいほうが勢いよく流れるという性質があります。空気の入口を小さく、出口を大きく開けることで、部屋の空気が攪拌され、室内のより広い範囲を換気することができます。

窓がない会議室などの場合

会議室などで窓がない部屋の場合は、まず、その部屋の周辺の天井にある換気口(排気)の位置を確認しましょう。部屋のドアを開けて、扇風機やサーキュレータなどを置いて部屋の外か中に空気が流れるようにしましょう。

例①:換気口(排気)が部屋・会議室の外にあるオフィスの場合

換気口(排気)が 部屋の外にある場合は、ドアを開けて扇風機などでその部屋の外に空気を出すようにしましょう。

※その際には、会議室奥とドア部分両方に扇風機やサーキュレータがあるとより効率的です。

例②:換気口(排気)が部屋・会議室の中にあるオフィスの場合

もし、換気口(排気)が 部屋・会議室の中にある場合は、ドアを開けて、扇風機などでその部屋の中に風を送り込むように

します。

会議室でのCO2濃度

密閉された会議室は、特に空気のよどみが発生しやすい場所です。長時間の会議や大人数での会議などでは、人の吐く息で⼆酸化炭素の濃度が高くなり、集中力低下の原因になります。

会議室を短時間で換気をしたい場合には、換気設備に任せるだけでなく、窓やドアを開けて積極的に空気を入れ替えることも有効です。